【本記事のターゲット】
1. これからシステム監査技術者試験について知りたい or 受験予定である
2. 合格者の声を聞いて参考にしたい
独立行政法人情報処理推進機構が主催するシステム監査技術者試験について、そもそもシステム監査技術者試験とは?どのようなメリットがあって、転職は有利なのか?年収についてや、実務経験がなくとも受けられるのかなどまとめます。これからシステム監査技術者試験を受験しようと思われている方の参考になれば幸いです。
システム監査技術者試験とは
- 情報処理に関する国家資格
- 情報処理技術者試験における仕上げの試験
システム監査技術者試験は、日本における情報処理に関する国家資格です。
認定機関は、経済産業省になります。
情報処理の促進に関する法律というものが定められております。
試験制度の中は、スキルレベルは1~4に分けられており、システム監査技術者試験はレベル4の高度情報処理技術者に含まれます。
その中でもシステム監査技術者試験は、情報処理技術者試験における仕上げの試験とも言うべき位置付けの試験です。
なぜなら、高度試験の各分野が全て盛り込まれるためです。
それぞれの分野について監査ができる必要があります。

目的
経済産業省が策定するシステム監査基準では、システム監査の目的として、
情報システムにまつわるリスク(以下「情報システムリスク」という。)に適切に対処しているかどうかを、独立かつ専門的な立場のシステム監査人が点検・評価・検証することを通じて、組織体の経営活動と業務活動の効果的かつ効率的な遂行、さらにはそれらの変革を支援し、組織体の目標達成に寄与すること、又は利害関係者に対する説明責任を果たすこと
と定義されています。
つまり、
企業が情報戦略に則って目標に向かってちゃんと進んでいるかな??と第三者視点で考えられる人を養成したい
ここからIPAが考える受験をオススメする人は、こんな感じです。
情報システムにまつわるリスクを分析できる
コントロールを点検・評価・検証できる
組織体の目標達成に寄与し、利害関係者に対する説明できる
これらができて、監査人や情報システム責任者などになりたい方に最適です。
歴史や受験資格
ITと聞くと最近の試験なのかなと思いがちですが、情報処理の歴史はとても長いです。
特にシステム監査の試験はほぼ名前も変わっておらず、伝統の試験といっても過言ではありません。
・昭和61年(1986年)情報処理システム監査技術者試験新設、秋期に年一回実施、年齢制限は受験する年の4月1日時点で27歳以上。
この頃は、年齢制限があったのですね!しかも秋だったとは!
・平成6年 (1994年)制度改正によりシステム監査技術者試験と改称、受験に際し業務経歴書(経歴の無い者は「業務経歴なし」と記した書類)の提出を要した。
業務経歴書が必要だとは!?でも、なくてもOKっぽいですね。
・平成13年(2001年)制度改正により春期に年一回実施、午前の試験時間短縮及び出題数減少、年齢制限と業務経歴書の提出を撤廃。
ここで、春になって、経歴書や年齢制限がなくなったのですね。午前の問題が少なくなったらしいです。
・平成17年(2005年)午前の試験時間延長及び出題数増加。
あれ、また午前の出題数が増えた!
・平成21年(2009年)制度改正により形式変更。なお、他の多くの区分名が変更されたが本試験については改称されなかった。
現在の試験の形式が固まりました!また、システム監査技術者試験は名称の変更が行われなかったようです。
難易度と評価
システム監査技術者試験の合格者の平均年齢は40歳を超えています。
【率の推移】
近年はやや易しくなってきていますが、それでも14%程度の合格率で推移しております。100人受験したら14人の合格だと思えば確かに難しそうという印象です。
評価としては、IT系国家資格の最難関の試験として評価されております。特に年長者の方には昔の年齢制限や経歴書提出の記憶があるので、より難しい試験という印象を持っているケースがあります。
また、省庁や官庁での職位任用・階級評価試験としても利用されております。
同様に最難関の一角としてのITストラテジストと比較して、システム監査は、実務を行う上で求められるケースが多いという特徴があります。超上流工程を担当するとしても、ITストラテジスト資格が問われることはありませんが、監査業務を担当する際は、まず資格ありきであることが多いようです。
システム監査技術者の転職や年収は?
転職先
一番想像しやすいのは、監査法人ではないでしょうか。
世界のBig4(日本における提携ファーム)である、
・Deloitte(有限責任監査法人トーマツ)
・PwC(PwCあらた有限責任監査法人・PwC京都監査法人)
・E&Y(EY新日本有限責任監査法人)
・KPMG(有限責任あずさ監査法人)
これらファームでは、公認会計士資格との両方を持って仕事に当たる人はそれほど多くないため、ITが苦手な会計士との棲み分けを行うケースが多いようです。
一方で、個人の会計事務所などでは両方の資格を持ちクライアントにバリューを提供することも多いようです。
その他では、社内の内部監査をおこなうポジションなどがあります。これは、タイミングによって様々な企業があります。
年収
先の例で上げたBig4では、平均で700万円代半ばぐらいなようです。
KPMG(あずさ監査法人)がやや高め。
- Deloitte(有限責任監査法人トーマツ)
⇒平均年収763万円 - PwC(PwCあらた有限責任監査法人・PwC京都監査法人)
⇒平均年収761万円 - E&Y(EY新日本有限責任監査法人)
⇒平均年収761万円 - KPMG(有限責任あずさ監査法人)
⇒平均年収799万円
※2019年7月時点、openworkでの平均年収を記載
システム監査技術者のメリット
システム監査技術者試験受験者のほとんどの方は、業務では未経験なようです。
また、受かったからといってシステム監査業務を行うわけではないという方も多くいます。
では、業務に使わないからといって、意味のない試験なのでしょうか?
私はNoだと考えております。
実際に私自身受けてみて感じたメリットは大きく3つあると思います。
- システムの客観視
- 管理者としての練習
- キャリアの幅を広げられる
システムを客観的に見れるようになる
これは、普段、開発業務のみに従事しているエンジニアの方にとって重要なことだと思います。
エンジニア職の方は、良くも悪くも目先の作業に没頭してしまうという傾向が強い方が多いです。
そういった方が、この資格を学ぶことで、より広い視野でシステムを俯瞰できるようになると考えられます。
管理者としての練習になる
システム監査技術者試験では、リスクとコントロールについてしつこく問われます。
これは監査においては、当たり前の考え方です。
このリスクに対して、しっかりコントロールが設定されているのかな?
という思考法は、システムに関係なく管理者として非常に重要なことです。
設定されていないのであれば、どうしなければならないのかと考えなければなりません。
キャリアの幅を広げられる
3.1にも通じることではありますが、エンジニア職として頑張っている方にとっての良くあるキャリアパスとして、プログラマー⇒SE⇒リーダ⇒PMという流れが一般的です。
しかし、システム監査技術者資格を持つことで、従来の技術を伸ばすという縦方向のキャリアパスだけでなく、横方向の広さを足し合わせることができると考えられます。
これは、厚みに言い換えてもいいかもしれません。
最後に
システム監査技術者試験の受験者数は、近年やや微減傾向にあります。
これは、IT業界で働く方にとってはチャンスだと思います。
社会はしっかりシステム評価ができる人材を求めております。
IPA試験の仕上げの試験とも言われる通り、簡単な試験ではありませんが、チャレンジする価値はあります。
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